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セアカゴケグモの駆除方法と咬まれないための予防策

セアカゴケグモの駆除


セアカゴケグモの幼体および成体は、市販のピレスロイド系の殺虫剤や熱湯で駆除することができます。
厚手の靴を履いていれば、そのまま踏み潰しても良いでしょう。

しかし、卵には殺虫剤が効きづらいため、バーナーなどで焼却するか潰すかして駆除しなければなりません。
巣を見つけた場合は棒などをつかって払うようにします。

セアカゴケグモは穏やかな性質なので、巣に手を突っ込むなどしなければ、セアカゴケグモのほうから攻撃してくることはありません

セアカゴケグモの牙の長さは約0.7mmなので、厚手の服を着ていれば、まず安心でしょう。

幼い子どもがつい好奇心で手を出し、咬まれてしまうのではないかと不安な場合は、行動範囲を中心に駆除を行うことをおすすめします。

ただし、むやみに殺虫剤を使用すると、セアカゴケグモを捕食する他のクモを殺してしまう場合があるので、その点は注意が必要です。


セアカゴケグモの駆除を行う場合は、ゴム手袋を着用し、エアコンの室外機の裏、ガードレールの脚付近、マンホールの蓋、ブロックの隙間、プランターの底、側溝の中など地面に近い場所を中心に殺虫剤をかけるか、燻煙剤を焚くと良いでしょう。
セアカゴケグモ死んだことを確認しても、素手では死骸に触らないようにします。
卵を見つけた場合は、靴で踏み潰しましょう。


セアカゴケグモの活動期


セアカゴケグモは年中生息していますが、活発に活動するのは6〜9月の暑い時期です。特に、日当たりがよく、乾燥している場所を好むようです。

手袋や殺虫剤を携帯していない状態で偶然セアカゴケグモを発見してしまった場合は、決して近づかず、速やかに最寄の環境管理事務所に通報しましょう。

セアカゴケグモは繁殖率が高いため、こまめに駆除しなければどんどん数が増えていきます。
セアカゴケグモ対策の専門家は、発見してもけっして慌てたりせず、適切な方法で駆除するなどの冷静な対応に努めることを推奨しています。

セアカゴケグモに咬まれたときの治療法と対処法

セアカゴケグモに咬まれたら


セアカゴケグモに咬まれてしまった場合は、患部をよく石鹸水やお湯で洗い流して、氷やアイスパックなどを使って冷やし、速やかに医療機関の診察を受けるようにします。

咬まれた部分を圧迫すると痛みが増すため、たとえ出血があっても、包帯や止血帯は使わないようにしましょう。
傷口にも触れないようにします。痛みがある場合は氷などで患部を冷やします。
咬まれてから24時間経過した後は、温湿布が有効です。

できれば咬んだクモを殺虫剤などで殺し、ビニール袋などに入れて医療機関に持参すると、クモの種類を特定できるため、より適切な治療が受けられます。


セアカゴケグモに咬まれても、ほとんどの場合は少量の毒を注入されるだけで大事には至らず、何もしなくても一週間以内に回復します。
全身症状を訴え治療を必要とするのは全体の約20%程度になります。

局所症状のみの場合であれば対症療法が行われますが、効果がみられないこともしばしばあります。
痛みに対しての鎮痛薬の投与、モルヒネやペネジンの注射も無効である場合があります。


全身症状がみられる場合は、筋肉注射による抗毒素療法が施されます。
セアカゴケグモ毒に対する抗毒素血清は、オーストラリア国内で約40年前から製造されており、現在の治療の中心となっています。

抗毒素血清には馬血清を使っているため、投与の際に、抗ヒスタミン剤としての塩酸プロメタジンやアドレナリンなどの前投薬が施されます。
抗毒素療法は、セアカゴケグモに咬まれてから1時間以内に行うと高い効果が得られますが、咬まれてから一週間程度経過しても有効であるとされています。

セアカゴケグモに咬まれた後の症状

セアカゴケグモは、神経毒の一種である「α—ラトロトキシン」という毒をもっており、咬まれるとそれが体内に入ります。
ちなみに、毒をもっているのはメスのみだとされていますが、オスに関しては、まだ正確な情報がそろっていないのが現状です。


セアカゴケグモのメスに咬まれると、次のような症状が現れます。

■ 痛み


セアカゴケグモに咬まれたときの痛みは、チクリと針で刺したときような痛みになります。
咬まれた時点から、1時間〜数時間程度かけてじわじわと全身に強い痛みが広がり、ついにはリンパ節にまで及びます。
セアカゴケグモによる刺し口は通常一箇所ですが、二箇所見つかる場合もあります。上半身を咬まれた場合は、胸部に心臓発作と間違うような強い痛みを感じることもあります。

■ 発汗


咬まれた後、局所的な発汗が生じることがあります。発熱がないのに著しく発汗がある場合は、セアカゴケグモに咬まれた可能性も考えられます。

■ 発熱


セアカゴケグモに咬まれた後、発熱が起こることがあります。

■ 発疹


セアカゴケグモに咬まれた場所の周辺に、発疹がみられることもあります。

■ 腫れ


セアカゴケグモに咬まれた部分の周囲は、腫れて赤くなります

■ 脱力


セアカゴケグモに咬まれた後は、全身がだるく感じられることがあります。

■ 寒気


セアカゴケグモに咬まれた後に、悪寒を感じる場合があります。

■ 吐き気・嘔吐


セアカゴケグモに咬まれた後に、吐き気をもよおしたり嘔吐したりすることがあります。


以上のような症状は、通常数日から数ヶ月で回復し、重症化することはほとんどありません
しかし、乳幼児や高齢者などは、まれに重症化する場合もあります。

セアカゴケグモは強い神経毒をもっているため、何度も咬まれるとクモ毒に過敏になり、アナフィラキーショックで死亡する事例も海外で確認されています。

セアカゴケグモとは?(毒性の強さ/生態と分布地域/天敵)

セアカゴケグモとは


セアカゴケグモは、クモの一種で、ヒメグモ科に分類される有毒の小さいクモです。
日本生態学会は、セアカゴケグモを「日本の侵略的外来種ワースト100」の中の一つに選定しています。

オーストラリア原産の外来種であり、日本では1995年に初めて大阪で発見されました。

世界中では、ヨーロッパ諸国、東南アジア、アメリカ、ニュージーランドなどでセアカゴケグモの生息が確認されています。
日本では現在までに35都府県で生息が確認されています。

セアカゴケグモは、原産地であるオーストラリアでは代表的な毒グモとして知られており、死亡例もありますが、日本では、まだ死亡例が報告されておらず、重篤者も発生していません。

セアカゴケグモの生態


セアカゴケグモの体長は、メスが1cm前後、オスは3〜5mmで、メスの背部分に丸くてツヤのある黒い体の背部分に赤い模様があるのが特徴です。

メスの体内には、最大で5000個の卵を糸に包んだ卵のうがあります。卵から成熟するまでの期間は、メスが約100日間で、オスは約45〜90日です。

セアカゴケグモの寿命は、メスが2〜3年、オスは交尾後にメスに捕食されるため、6〜7ヶ月程度です。
セアカゴケグモは、マイナス0.5度から46度までの温度で生息および繁殖が可能なため、年間の気温の変化が大きい日本でも越冬して発生しています。


セアカゴケグモの巣は、複雑な不規則網形状で、ガードレールやベンチのしたなど地面に近い場所に張られます。

セアカゴケグモが主食とするのは、地面を徘徊するアリ、ワラジムシ、ハサミムシなどの昆虫類です。

セアカゴケグモの天敵となるのは、同じく外来種であるクロガゲジグモやイエユウレイグモ、カゲロウの仲間などです。
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